ご両親、祖父母の方、ご親戚はもちろん、子供さんにとって「七五三」は成長を記録する大事な行事だといえます。ですから三歳と七歳、それぞれの時期に見せるかわいらしい姿を画像や映像で残しておいてあげましょう。

女の子の場合、3歳と7歳、七五三を2回お祝いします。7歳だと、数えで幼稚園・保育園の年長、満年齢なら就学しているお子さんもいらっしゃいますから、撮影にそれほど問題は起こらないでしょう。しかし、3歳の女の子は、まだまだ赤ちゃん気質が消えないことも。「じっとしていて」「こっちを見て」といっても、泣いたり駄々をこねたりすることも少なくありません。

そこで三歳女子、七歳女子、それぞれの七五三写真を上手に撮る「7つのポイント」をまとめてみました。

結婚式シーズンも考えて、撮影予定地の「下見」を忘れずに。

七五三 撮影はひと手間が愛情です。

七五三 撮影
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出典 https://www.flickr.com/photos/demu/65055039/

 

七五三は子どもの成長を祝う日本の年中行事で、11月15日に行われています。ただし、ご両親ほか家族の都合などもあり、近年は10月中旬~11月中の吉日、土日・祝日などを利用して参拝に行くケースも多いようです。

11月15日を中心に神社が込み合うのはもちろん、この時期は結婚式シーズンとも重なっています。ですから、御祈祷を受ける神社には七五三参拝客(家族)のみならず、結婚式を挙げるカップル、その親族の方が訪れます。そのため、撮影場所を確保するのは、どうしても難しくなるといえるでしょう。

 

これを避けるため、御祈祷予定神社の「下見」を行うことをおすすめします。神社の様子を前もって調べておくことで、記念撮影もスムーズになります。現地に行くのがベストですが、遠方であれば神社の公式サイトなどを参考に「撮影に適した場所」「突然の雨を避けられる場所」などを見ておきましょう。

また神社は神聖なところです。 「撮影や立ち入りを禁止している場所」はきちんとチェックし、七五三撮影で三脚や機材が使えるか(禁止していることもあり)も聞いておくようにしてください。

3歳の子供さんの七五三 撮影は手際よく

時間勝負!

七五三 女の子撮影
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出典 https://www.flickr.com/photos/72410975@N07/6537958957/

 

3歳の子供さんには、まだまだ赤ちゃん気質が抜けないケースもあります。家やよく知っている公園など、見慣れた場所ならまだしも、多くの人(大人)が集まる神社のような場所だと人見知りをしてしまうことも少なくないでしょう。

育児専門書などを見ると、この時期の子供さんの集中力は数分程度。 見知らぬ場所に驚いたり、萎縮してしまうと、表情が硬くなることも考えられますから、メインの写真は手早く撮るようにしたいものです。

そこで生きてくるのが、1の「ロケハン」です。場所や構図をある程度決めておくことで、手早く撮影することができます。

7歳の女の子はおしゃまさん。多くのカットを押さえておく

細かいところも撮影しましょう!

七五三 撮影
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出典 https://www.flickr.com/photos/poco33/21318507493/

 

3歳とは対照的に、7歳のお嬢さんともなると、大人が思っている以上におしゃまなタイプも少なくありません。近年の子供さんは、小さな頃から写真や動画を撮られ慣れています。特にお嬢さんになると、ただ写真や動画におさまるだけではなく、「もっと可愛く撮ってほしい」と望む傾向があるようです。さらに年長のお姉さん、ジュニア・モデルの真似をしたがるケースもあり、撮影者が指示を出さずとも、自らポーズをとるお嬢さんの姿はよく見かけます。

基本はお祝い行事ですから、親子や親族との集合写真は必要ですし、そちらに比重が行くことも多いでしょう。しかし、すくすくと成長し、七五三で可愛く着飾ったお嬢さんの愛らしいポーズや表情は、できる限りカメラやビデオにおさめたいもの。記念写真的なカットはもちろんのこと、 「お参りする姿」「お守りを手にする姿」など、その日をすべて記録するような気持ちで撮影することをおすすめします。

特に和装する場合は、着付け前の晴れ着をはじめ、かんざしや草履などの和装小物、千歳飴、さらにメイク中の様子(着付けも含む)なども押さえておくといいでしょう。

当日の天気や気温には気を付けておく

予備日も検討してね!

七五三 女の子撮影
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出典 https://www.flickr.com/photos/coitiw/27097460961/

 

お宮参りに行く日の天気が良ければ、それほど問題はないのですが、当日が雨だったり、気温が低かったりすると、七五三 撮影に支障が出ることがあります。余裕があれば、日にちを変えるのが良策ですが、「次の休みがなかなか取れない」「ご祈祷を予約している神社が人気で、他の日に替えがきかない」なら、アクシデントに対する準備が必要です。

 

下見の際には、 「雨に濡れない」「風をよけられる」撮影ポイントを探しておきましょう。親子共にポンチョ型レインコートを用意しておくと、移動の際に便利で風や寒さよけになり、また撮影者は傘をささずに写真を撮ることができます(傘をさすと、傘部分の色が写り込むことがある)。

 

また、特に3歳のお嬢さんだと、飲食で衣装を汚してしまったり、顔や歯に食べカスをつけてしまうことがあるため、可能な限り、七五三 撮影は食事の前に行うといいでしょう。どうしても飲食をしたいとごねてしまったときは、雨用のポンチョが前掛け代わりになります。

七五三の女の子撮影に役立つテクニック

カメラ操作もチェック!

七五三 女の子撮影
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出典 hhttps://www.flickr.com/photos/blackteajjustice/8140191070/

 

カメラの技術が進歩した昨今、一眼レフ(ミラーレス一眼含む)、コンパクトデジタルカメラにかかわらず、プログラムオート(カメラ自体が周囲の状況に応じた設定(ホワイトバランス、ISO感度、絞り、シャッタースピードなど)を選び撮影)にしておけば、七五三 撮影で大きな失敗をすることはありません。ただし、もう少しメリハリのある写真を撮るのであれば、オートは使わず、カメラの設定を変えることをおすすめします。

 

☆カメラ設定を変えて、より可愛い写真を撮影するには

 

◇3歳の女の子の動きは予測不能?

性格にもよりますが、3歳の女の子は「予想外の行動」をとることがあります。「そこにいてね」と声をかけても、自分の興味が他に移れば、あっという間にフレームから外れてしまう。そんな経験は多いことでしょう。

そこで使いたいのが「シャッター速度優先モード(スポーツモード)」「連写機能」です。「シャッター速度優先モード(スポーツモード)」を少なくとも250分の1、心配なら400分の1以上に設定しておけば、とっさの動きにも十分対応できるといえます。また、シャッターを押している間はピントを合わせながら被写体を追う「連写機能」を使えば、動き回っても安心。連写した後、最高のショットを選ぶことができます。

 

◇七五三のメイクと晴着が映えるカット

オートで撮影するのは便利ですが、フレーム全体にピントが合ってしまい、肝心のお嬢さんと背景が同化してしまうことがあります。これを避け、お嬢さんはくっきり、周囲はふわっとした感じに仕上げるには、マニュアルまたは絞り優先モードを利用しましょう。絞りやシャッタースピードを個別に設定できる機種であれば、絞りを大きく開けて(数字の少ない方に設定)撮影します。そうすると、お嬢さんや晴着ははっきり、周囲はほどよくぼやけた「ポートレート風」に仕上がります。

細かい設定が難しいなら「ポートレートモード」に設定すれば、同じような効果が期待できます(最近のカメラには、ほとんど「ポートレートモード」が付いていますが、これからカメラを購入する場合、このモードが搭載されているか確認してください)。なお、絞りを開けるとシャッタースピードが遅くなります。手ぶれなどがないように、一脚や三脚を用意しておくといいでしょう。 神社や七五三の雰囲気も記録しておきたい時は、お嬢さんをカメラの近くに立たせて撮影します。こうするとどちらも際立ち、自然な写真になります。

 

◇撮影者が動くことで、写真の幅が広がる

「子供を撮ると、どうしても一本調子の記念写真になってしまう」という人は少なくありません。その原因は「立ったまま」で撮影をしているケースが多いようです。

これを解消するには「とにかく動くこと」です。「アングルを子供目線にする」「寄れるだけ寄って撮影する」「小道具を使う」「ただ前を向いているだけでなく、後ろ向きや横向きのカットを撮る」などの工夫が必要。良い写真を撮るには、とにかく撮影者が動くことです。

 

◇光の使い方の基本を覚えておく

屋外で人物撮影する場合の光の使い方をまとめました。

・順光:被写体に正面から光が当たる状態。

メリット:顔全体を明るく写すことができる。曇りの日は光が均等に当たるので、影の心配がない。

デメリット:顔に影がでやすい(これを解消するには、補助光としてフラッシュを焚き、順光の影などを防ぐ「デーライトシンクロ(「日中シンクロ」とも呼ぶ)」機能を使う)。また被写体がまぶしくて目を細めてしまうことがある。

 

・逆光:被写体の後ろから光が当たる状態。

影が出やすいため、「デーライトシンクロ(「日中シンクロ」とも呼ぶ)」で解消する。

 

・半逆光:被写体の斜め後ろから光が当たる。斜光ともいう。

晴れた日に写真を撮る場合、半逆光を使うと、明るくかつ立体感のあるものになる。

「こんなはずじゃなかった!?」と後悔する前に

バッテリーやメモリーに注意!

七五三 女の子撮影
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出典 https://www.flickr.com/photos/shinjiman0101/8649781587/

 

七五三は一生に一度(女の子は2度ですが、それぞれ年齢が違います)ですから、その場でしか撮れないカットを確実におさえたいもの。そのため忘れてはいけないポイントを紹介します。

 

・予備のバッテリーを持参する

「連写機能」などを使うとバッテリーの減りが早くなります。「まだまだ撮りたいのに、肝心のカメラが動かない」ということがないように、 予備のバッテリーは必ず携帯しておきましょう。

・メモリ不足に注意

七五三 撮影では、お嬢さんのカットをたくさん撮りたいと、ついついシャッターを押してしまいがちです。「気が付いたらメモリが残っていない!!」とい状況に陥らないよう、予備のメモリは忘れずに。また、 購入時には大容量のメモリを選ぶことをおすすめします。

・スマホでの撮影には自撮り棒

「写真を遠方に居る祖父母に送りたい」といった場合、スマホ撮影は必須。自撮り棒を使えば、手軽に家族写真を撮ることができます(ただし、 自撮り棒禁止の可能性もあるので注意。利用する際は、周囲の迷惑にならないように)。

・突然の悪天候で衣装が!!

お天気が微妙な時は、雨具を必ず用意しましょう。 おすすめは、すっぽりかぶれる「ポンチョ型」。3歳のお嬢さんの場合、粗相から衣装を守ることもできるので、持っていると便利です。

・はき慣れた靴で帰りも安心

和装の場合は草履、洋装だと革靴を履きますが、履き慣れていないと、途中で「歩けない」というケースも少なくありません。これに対処するため、 履き慣れた靴を持っていくと便利です。

七五三で女の子を撮るカメラの選び方

量販店で聞いてみるのも良いですよ!

七五三 女の子撮影
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出典 https://www.flickr.com/photos/mujitra/8372186613/

 

七五三撮影だからといって、特にカメラを買い替える必要はありません。逆に「使い慣れたカメラ」が失敗も少ないので、一番安心です。ただし、それぞれ使い勝手や撮影効果が違いますから、「撮りたいお嬢さんの七五三写真」に合わせてチョイスするといいでしょう。

 

〇いろいろなシーンに対応するなら一眼レフ

レンズ交換ができ、「マニュアル機能(絞り優先、シャッタースピード優先)」「シーン別撮影機能(ポートレートなど)」「スマイルシャッター機能」が付いていますから、 様ざまなシーンに合わせた撮影が可能です。ただ、使い慣れていれば問題ありありませんが、ボディが大きく重いので取り回しが難しく、手ぶれを起こしやすいデメリットがあります。

一眼レフを使うなら軽めの普及機タイプ、軽量なミラーレス一眼などがおすすめです。

 

〇誰でも気軽に使えるコンパクトデジカメ

コンパクトで軽いため、年齢性別を問わず使いやすいカメラです。最近は機能も多く(マニュアル機能、シーン別撮影機能、スマイルシャッター機能、連写機能など)、自分のイメージする写真を簡単に撮ることができます。一眼レフとは逆に、小さすぎて手ぶれを起こしやすい点に注意。ですから一脚または三脚を持っていくと安心です。

 

〇手軽で便利なスマートフォン

近年のスマートフォンのカメラ機能は、かなり充実しています。カメラ関連のアプリも多く、その場で文字を入れるなどの加工も可能です。

スマートフォンの利点は、 その場から写真を簡単に送信できること。一眼レフ、コンデジに加え、スマートフォンも持っていけば、遠方の親戚に手早く画像を送ることができます。こちらも手ぶれを生じやすいので、小さな三脚、一脚を用意しておくと便利です。