赤ちゃんが生まれてから100日頃にお祝いする、お食い初め。当日は一体どんなメニューを用意すればいいのか、焦るお母さん、お父さん方も多いかもしれません。

ここでは、 お食い初めの祝い御膳に並べられる、お料理の意味や由来について見ていきましょう。一品一品に込められた、昔からの由来を知ることで、お食い初めの席が一層喜ばしいものになるといいですね。

お食い初めの定番メニューは?

一汁三菜が基本です

お食い初め メニュー 意味
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お食い初めのメニューは、一汁三菜を揃えるようにします。ご飯、お吸い物、お魚、煮物、酢の物や香の物などを御膳に並べます。

その他に、歯固め石と梅干しなど縁起をかつぐものを揃え、メニューの完成です。細かい素材などに特に決まりはなく、季節やその土地に合った食材を用いて用意できれば大丈夫。

ただその中でも、縁起の良い素材というものがあります。次で取り上げますが、できれば、これらを取り入れたメニューを練れると、さらに良いかもしれません。一体どんなものが吉とされているのでしょうか?

ご飯について

お赤飯や普通のご飯などを盛ります

お食い初め メニュー 意味
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まずご飯ですが、一般的に多いのはやはりお祝い事によく使われるお赤飯です。お赤飯は、古来よりその赤色に 邪気を払う力があると信じられており、魔除けの意味でお食い初めのようなお祝いの席で配られるようになったと言います。

その他、栗ご飯やおかゆなど、当日出されるご飯は地方によって様々ですが、そんなご飯作ったことがない!と焦ったお母さん、大丈夫です。もちろん普通の白いご飯でもOKです。

 

お吸い物について

エビやはまぐりなどを入れます

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お吸い物に入れる具としては、はまぐりや鯛、エビなどがあります。はまぐりは、両方の貝が相手の貝としかぴったり合わない事から、 「将来良い伴侶に巡り合えるように」との願いが込められています。お食い初めの他にも、ひな祭りの時にとてもよく使われる素材です。

エビは背中が曲がるぐらい長生きできるように、また、鯛は周知の通り、おめでたい席では付きものの素材ですよね。

このような縁起物をお吸い物に入れますが、もしどうしても素材が手に入らない場合は、たけのこやマツタケなど、季節の野菜を取り入れても良いでしょう。

お魚について

御頭付きの魚を用意します

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めでたい席なので、御頭付きの鯛を一匹用意します。じっくりと焼き上げた鯛が、いざお膳に乗ると、ぐんとお祝い膳らしい雰囲気が漂います。自分でこんな大きな魚を上手に焼けるかとご心配の方もいると思います。お店によっては、鯛を焼いて渡してくれるところもあるので、一度聞いてみるのもいいかもしれません。

ここでひとつ注意しておきたいのは、鯛がいつでも手に入るとも限らない点です。お店によっては鯛を入荷しない日もありますので、予め予約しておくのが安心でしょう。

地方によっては、鯛に限らず、別のお魚で対応することもあるようです。

煮物について

季節の野菜で調理します

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煮物には特に素材の決まりごとはありませんが、一般的にサトイモは小芋がたくさんできることから 「将来子宝に恵まれるように」、れんこんは穴が開いていることから 「先を見通せる力を持てるように」、そして筍はその生長過程から 「まっすぐスクスク育つように」との願いが込められています

また、大根とにんじんを使用してめでたい紅白を表現したり、野菜を六角形に切って縁起が良いとされる亀の甲羅になぞらえたりするのもよいでしょう。

 

酢の物や香の物について

めでたい色どりを意識しましょう

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その土地の名産品や季節の素材を漬け込んだものを添えます。香の物は口の中をさっぱりさせ、それぞれの料理の繊細な味わいをより引き出すための役割を果たすと考えられています。縁起をかついで紅白なますや、 「多幸」というゴロからタコの酢の物などを添えることも。他の料理とのバランスを見て、小鉢の中をどう彩るか、ぜひ楽みながら考えてみてくださいね。

その他に必要なものは?

歯固め石と梅干しも揃えましょう

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歯固め石とは、 赤ちゃんの歯が丈夫に育つようにとの願いを込めて行われる儀式です。お食い初めの際に、箸で歯固め石に触れ、次にその箸で赤ちゃんの歯ぐきにチョンチョンと触れます。地方によっては、赤ちゃんの口に直接この石をあてるやり方もあるそうですが、誤飲の可能性もあるので、大人が充分に注意してあげることが必要です。

歯固め石の入手方法は、氏神様の境内のなかでも、人があまり通らない所から石を拾ってきます。儀式が終わったらきれいに洗い、感謝の気持ちを込めて元の場所へ返しましょう。最近では、歯固め石を販売しているところも数多くありますので、色々調べてみるのもいいかもしれません。

この歯固め石に添えて出すのが、梅干しです。冬の寒い時期を耐えしのぎ、ようやく実をつけることから、辛抱強い良い子になるように、また梅干しのしわにかけて、赤ちゃんがしわしわになるまで長寿であるようにとの願いが込められています。

以上、お食い初めメニューに込められた意味について見てきました。一つ一つが赤ちゃんのつつがない成長を願うものかと思うと、御膳の用意も楽しくなってくるから不思議です。

そうはいっても、慣れない子育てでヘトヘトのお母さん、くれぐれも無理をしないで。こういうときこそ、両家のご両親に頼り、色々な意見なども聞いてみるときです。きっとご家族一同が見守る、ステキなお食い初めの日が過ごせることでしょう。