5月5日は端午の節句。可愛い我が子と初節句を迎えるご両親は、とても楽しみな反面、勝手がわからず困っていることも多いと思います。

端午の節句で飾る『兜』は、一体誰が買うものなのでしょう?大切な孫へのお祝いだと張り切る、両家祖父母にはどのように対応すればいいのでしょうか?

『兜』は誰が買うもの?

元々は「お嫁さん側の実家」が用意するもの

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 昔は今と違って、嫁いでいった娘になかなか会うことができなかったと言います。舅や姑と同居している娘の家は、義理家への遠慮もあって訪ねていくのも難しいもの。初孫の顔さえもなかなか見ることのできなかったお嫁さん側の実家が、孫や娘に会いに行く口実として、また、嫁ぎ先に娘のことをよろしくお願いしますという気持ちを込めて、兜やひな人形などの初節句の飾りを用意。嫁ぎ先へお祝いとして持参しました。

 今もその名残があるせいか、 基本的に兜は、お嫁さん側の実家が用意するのが一般的なようです。

関東、関西での違いは?

地域ごとに異なる風習があります

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初節句の飾りはお嫁さん側の実家が贈るとはいえ、関東ではその傾向が若干異なるようです。関東では男児が生まれた場合、家の大切な跡継ぎができたとの喜びを込めて、夫側の実家が兜を贈る風習があります。逆に、雛飾りはお嫁さん側の実家で用意します。

一方、関西では両方ともお嫁さん側の実家で準備します。このように、地域によって細かい風習の違いがあるため、夫婦のうち一人が関西出身で、もう片方が関東出身なら大変!大事な行事の前に大げんかになってしまうことも。予め、どちらの風習に合わせるのか相談の上、物事を進めた方がいいかもしれません。

夫側の 出身地に合わせる、現在居住している地域の慣わしに合わせるなど、柔軟に対応していきましょう。

両家の祖父母が購入する気でいたら?

夫婦で購入し、両家で折半することも

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 孫のこととなると張り切るおじいちゃん、おばあちゃんは多いもの。初節句が近づいてくると、「兜買ってあげるからね」とそれぞれから迫られて、四苦八苦する若夫婦の姿もよく目にします。そんな時は、夫婦二人で相談の上、好みの物を自分たちでさっと購入するのも手です。

費用のみ両家で折半して出してもらうようにすれば、両家の顔も立ち、一石二鳥になること間違いなしです。

それでも、両家の祖父母が始めから用意したがったら?

鯉のぼり、五月人形などを分担してもらいましょう

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 両家の祖父母が、兜だけで満足しなかった場合は、脇役である鯉のぼりや五月人形などで対応しましょう。若夫婦と実際に見て歩きながら、鯉のぼりや五月人形を揃えるのはとても楽しい一時です。

なおデパートなどでは、2月中旬頃から端午の節句に関しての販売をスタートします。 良い物からなくなっていくので、早めに売り場を訪れた方がいいかもしれませんね。

事前相談なしのサプライズはNG

住んでいるマンションや家の事情を考慮して

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 昔に比べて家がコンパクト化している現代。その広さも間取りも、各家庭の事情によって様々です。孫の初節句に合わせて、こっそり兜を買って送ってあげようとしている方がいるなら要注意。嬉しいサプライズのつもりでも、突然の大荷物は若夫婦にとって迷惑でしかありません。家に置く場所もなく、室内の雰囲気にも合わなければ、ずっと物置きに入れられっぱなしなんてことも。

 兜に関しては場所も値段もかかるものなので、 まずはきちんと夫婦に相談を。どうせ送るなら、喜ばれるものをしっかりリサーチしておきたいですよね。

兜はお父さんから継いだものでもOK?

鎧や兜は厄除けの意味も。基本的には一人一台

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 子どもに贈られる鎧や兜は、今後その子に降りかかる厄を払いのけ、健やかに育つよう祈る意味が込められています。したがって、基本的に鎧や兜は、一人一台ずつ持つのが好ましいのですが、現実的に考えて、大きな飾りを2つも3つも家の中に飾っておくのは不可能です。 

もしお父さんの代から大切に保管してきたものがあるなら、それを活用するのもいいかもしれません。 お父さんのように素敵な人生を歩めるようにとお祝いの場に飾り、 親子でつながっていく絆を実感してみるのも素敵ですね。

男の子が2人、3人と続けて生まれたら?

小さめの飾りを買ってあげましょう

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 鎧や兜は上の子の時に揃えてしまっている場合がほとんどなので、その後弟が生まれた場合は購入する必要はありません。金銭的にもスペース的にも大変な負担になってしまうからです。

新しく誕生した弟には、小さめの鯉のぼりや五月人形を買ってあげ、お兄ちゃんの時と同じように盛大にお祝いしてあげましょう。

端午の節句で一番大切なことは?

孫の成長を喜び、心からお祝いすること

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端午の節句で一番大切な事、それは 家族全員が生まれてきた子どもの成長を心から喜び合うことです。少しずつ色々なことが出来てくる頼もしい姿に、日々感動を覚えているご家族だからこそ、心のこもった初節句を用意してあげられるのだと思います。

新しくできた家族を皆で見守り、今後のさらなる健康と成長を祈願する、良い機会にしたいものですね。

 端午の節句で、子どもに贈る『兜』は誰が買うものなのかをまとめてみました。地域ごとの風習が異なるため、必ずしも正解があるわけではありません。それだけに、くれぐれも親族でもめることのないよう時間に余裕を持って、皆でよく相談してみてくださいね。

 大切なのは、子どもの成長を喜びあう心です。心を込めて選んだ『兜』の前で、ご家族一同がお祝いできる機会を、ぜひ楽しんでください。